CT(コーンビームCT)
鼻と耳の病気を扱うときコーンビームCTは、非常に重要な撮影装置です。
鼻と耳には、副鼻腔や中耳、内耳などのように骨と粘膜で囲まれた部位が多く存在しています。コーンビームCTで撮影すると、短時間で骨と粘膜の部位を三次元的に鮮明に抽出できるため、他の撮影装置では得ることが難しかった詳細な情報を得ることができます。
0.05mmでの断層撮影ができるため、中耳炎や副鼻腔炎、難聴などの正確な画像診断に有用です。
また、コーンビームCTは1回転の照射で回転撮影を行い、撮影データをコンピューターで処理して三次元画像が得られます。そのため、通常のヘリカルCTと比較して撮影時間が短く被ばく量も少ない(約20分の1)ため、患者さんにとっても優しい撮影装置といえるでしょう。
イムノキャップラピッドアレルギー検査
アレルギー性鼻炎や花粉症の治療には、アレルギーを引き起こすアレルゲンを特定することが大切です。アレルゲンを出来るだけ避けながら薬物治療を行うことで、より効果的に症状の軽減を図れます。
これまでのアレルギー検査は、注射器で採血して、結果が出るまでに時間がかかりました。しかし、イムノキャップラピッドアレルギー検査は、指先からわずかな血液を採血して検査キットに垂らして待つだけです。検査結果は、約20分で出ます。小さな子供や注射が苦手な方、遠くから通院している方などに向いている検査といえます。
この検査キットでわかるアレルゲンは、花粉系がスギとカモガヤ、ブタクサ、ヨモギの4種類、ハウスダスト系がヤケヒョウヒダニとゴキブリ、ネコ、イヌの4種類です。
この検査の問題点は、調べることができるアレルゲンが8種類と決まってしまっていることです。この8種類以外のアレルゲンを持っている方がこの検査を受けても、アレルゲンの特定ができないため、検査を受けた意味がなくなってしまいます。他のアレルゲンの可能性があるかたは通常の血液検査でのアレルギー検査をお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群(OSAS)検査
睡眠時無呼吸症候群の検査は、問診から始めます。睡眠中の呼吸の様子を自分で把握することは難しいため、家族に聞いたり動画撮影をしたりしてもらうことも必要となることがあります。このとき口蓋扁桃の状態や舌の大きさなどを視診することで、寝ているときに無呼吸になっているかどうかを予測します。
睡眠時無呼吸症候群の検査が必要だと判断したら、簡易検査キットを使ってスクリーニング検査をします。簡易検査キットを装着して就寝してもらい、呼吸や血中の酸素の状態、脈拍数、鼻の呼吸フロー、いびきの有無などを測定します。睡眠時無呼吸症候群の程度(AHI)が40以上で睡眠時無呼吸症候群が明らかな場合は、経鼻的持続陽圧呼吸療法の対象となります。
経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)
経鼻的持続陽圧呼吸療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療法として、最も広まっている方法です。
枕元にCPAP装置を置き、鼻にCPAP装置から空気を送るチューブとつながっているマスクを装着したまま就寝します。機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送ることで、気道を広げて睡眠時に無呼吸になるのを防ぎます。
空気による圧力のかけ方は、常に一定の圧力に保つ場合と、無呼吸になったときに圧力があがる場合の2通りから医師が設定します。
マスクを装着して就寝するのに慣れるのに数ヶ月かかる方もいます。しかし、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を患っている方にCPAP療法を継続的に行うと睡眠の質が向上して、夜間のトイレの回数の減少や日中の眠気の改善などの効果が期待できます。他にもいびきや高血圧の改善、血液ガスの改善などの効果が期待できます。
CPAP療法は、健康保険が使えますが、保険を使うためには月に1回受診しなければいけないことになっています。